[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ノックの音がした。
長い時間、自分一人だけの部屋の中にいた。
外界から誰かが来るかも知れないとは、考えもしなかったように思う。
静けさが破られた衝撃に、知らず身を竦ませる。
何事だろう。思わず、ドアに取り付いて、ノブを回す前に考える。
そうだ。これは、一つの手順に過ぎない。ならば、懼れる必要は、何も無い。
このドアを、私から開ければ良いのでは無いのだろうか?
咳払いをした後に、
「どうぞ。お入り下さい。」
途端に、ドアが緩やかに開く。視界に溢れる光と音楽。
何故だろう。何か懐かしい。
生まれる瞬間を、覚えている人間は、何人いるのだろう?
「おめでとう御座います。元気な赤ちゃんですよ。」
Welcome、私。この世界に。
* The End *
≪ 草笛 | | HOME | | Home,Sweet Home ≫ |