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少女と蝶

少女の両親は、丘の上の病院に少女を入院させた事を、少々後悔していた。
何と言っても、家からも学校からも遠すぎるのだ。
娘の身体の事を思って入院させたものの。寂しい思いをさせているのではあるまいか。

その日。三階の病室の窓に、色鮮やかな揚羽蝶が翅を広げて止まっていた。
少女の部屋であった。少女は蝶を見ると、目を丸くした。
「わあ。綺麗。」
少女が近付いても、蝶は、中々飛び立たないようでもあり、気が付くと、いなくなっていた。

次の日も、同じ事が起こった。
そうこうする内に。蝶は、雨の日も風の日も遣って来るのであった。

退院した後、クラスメートが謝って来た。
「お見舞いに行けなくて、御免ね。」
少女は、笑って首を振った。


                     * The End *

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