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「とは言ってもねえ。やる事も無し。」
聖女様が仰りました。お茶を注ぎながら、輝く笑顔で。
「まあ確かに。」
答えたのは、白いお髭。
「”全ての聖人の日”など、誰が知っているのでしょう?」
歌うように別な聖女様。
諸聖人が集う日。近況など語りつつ、天使から頂いたお茶とお菓子に舌鼓を打つ。
地球は眼下に丸く蒼く美しく。雲の上の国は、今日も光に満ちて。
「やる事もない、ですかなあ?」
「さて、どうでしょうか?」
何人かが上品に目配せをしあいます。
「有るかも、知れませんね。」
「まあ、確かに。」
ぼちぼち、行きましょう。
今、星空の彼方に、少しずつ目を向けた人類。“神”の国は、遠いのか。
輝く衣服が翻り、諸聖人が地上に降ります。
* The End *
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